現在はあまり聞きませんが一昔前は毎年いろんな大学で一気飲みを強要し、人が亡くなったという事件がたくさん報道されていました。アルコールは一種の毒物です。この記事ではそんなアルコールの怖さについて記載して行きます
アサヒビール株式会社: https://www.asahibeer.co.jp/csr/tekisei/ikki/danger.html
急性アルコール中毒とは
血中のアルコール濃度が高くなることで、意識障害や血圧低下等が起こり最悪死に至るものです。
アルコール濃度と体の変化
血中のアルコール濃度が0.02%~0.1% | ほろ酔い・リラックス効果 |
血中のアルコール濃度が0.3%以上 | 泥酔・千鳥足・記憶の喪失 |
血中のアルコール濃度が0.4% | 昏睡状態・死亡リスクの上昇 |
たった0.4%で死ぬの!?と思う方もいますよね。私も思いました。
なぜ、急性アルコール中毒になるの?
アルコール濃度の%はあくまで目安です。人によってアルコールへの耐性が違います。
アルコールは体に入ると肝臓で分解されます。
しかし、短時間に大量の飲酒やアルコール度数が強いお酒を飲むと肝臓での分解が追い付きません。
血液中にアルコールがたくさんあることで急性アルコール中毒と呼ばれるものになります。これはいいかえると、
血液に乗って全身に毒物(アルコール)が回るということです
これにより、意識障害、呼吸抑制などが起こり死につながります。
間接的なものでは、嘔吐物を喉に詰まらせてしまう窒息死や、酔っ払い特有の千鳥足などの運動障害での転倒・転落があげられます。
おまけです。
このような症状が出ていればすぐに救急車を手配しましょう。医療用語でいうと(意識)のレベル低下が起きているということです
余談ですが、
アルコールで一番悪影響を受けるのは脳の中では”小脳”です
小脳は運動をつかさどる部分です。
酔っぱらってまっすぐに歩けなくなったり、なんでもないところでつまずいたりしてしまうのはこのせいです。駅のホームの椅子の並びが線路側ではなく向かい合わせになったのもこのせいです。酒におぼれて線路に落ちる人が多いということですね。
急性アルコール中毒の症状
・意識レベルの低下:呼びかけに反応がない
・嘔吐や口から泡を吹く
・呼吸回数の減少
・血圧の低下(手首で脈が触れないと80mmhg以下です)
・体温の低下 などがあげられます
こういった症状が出れば救急要請や救急外来を受診しましょう。
ここまでになる前にお酒の量をとどめておきたいですね。
番外編です。
医者と救急隊員に聞いたアルコール中毒患者について思うこと
医師
「死にたいのかと思う。死にたくないから救急車を呼んだんだろうが、やっていることは自殺だ。仕事だから仕方なく対応するという気持ちになる。あくまで仕事だから。」
救急隊員
「自分で死ぬほど飲んで救急車を呼ぶ人って本当に迷惑。今本当に救急車が必要な事故や病気の人もいることを考えられないのかと悲しくなる。」
少し言葉を選んで記載しましたが、かなり憤りや、やるせなさえを覚えるようです
ここで大切なのは、医師や救急隊員が述べている救急車や医療の使い方だけではなく、アルコールを大量に摂取することは自殺行為だと述べていました。笑って飲み過ぎですとは言えないのです。
これを踏まえると、アルコールハラスメントや一気飲みを強要することは殺人行為ですね。実際に亡くなられている方も出てきて社会的問題にもなったという話をしました。
治療
嘔吐での窒息を防ぐために横向きに寝かせます
点滴により血中のアルコール濃度を下げます
必要時は挿管を行い、気道を確保します
低体温や血圧低下に対しては保温や下肢を心臓より高く上げ必要時は昇圧剤を用います
応急処置でできること
①嘔吐物を詰まらせないために横向きに
②気道確保をするため、下あごを開けます
③体温が下がらないように上着や掛物で保温を行う
④血圧の低下がある場合は下肢を挙上する
まとめ
- アルコール中毒は血中濃度が急激に上昇することで起こされる
- アルコールの大量摂取は自殺行為である
- アルコール中毒になった人を見つけたら横向きにして気道確保
お酒は楽しむもの!
飲みすぎや一気飲みはダメ、絶対!
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