
新型コロナウイルスが流行ってから出かけるときは財布、携帯、鍵、マスク。と言われるほど必須アイテムになったマスク。装着時は鼻と顎を覆うように着けるのは当たり前。では、感染症予防を効果的にするマスクの着脱は自信をもってできていますか?この記事ではマスクの種類、選び方、着脱方法についてコロナ受け入れ病棟で働く看護師が教えます!
マスクの種類
手作りマスクやユニクロのエアリズムマスクもあれば、サージカルマスクなどもあります。
病院などでは主にサージカルマスクが多いです。理由は一番細菌やほこり、ウイルスの除去率が高いからです。高いものだと99%ほどカットできます。
安部元総理が国民に布マスクを配っていましたね。ではこの布マスクは効果があるのでしょうか?
①布マスク

布マスクは”相手にうつさない”ということをメインとしています。スーパーに買い物に行ったり、犬の散歩に行ったり、宅急便の受け取りをしたりするときなどはこれで十分です。
医療従事者や接客業をしない一般の方向けのマスクですね。
②不織布マスク

こちらは一般的にマスクと言われて想像するものですね。
これは”うつさない””うつらない”マスクです。もちろん100%ではありません。接客業や医療従事者、あとは免疫が弱い高齢者の方向けです。
どちらかというと「うつさない為のマスク」です。しかし、感染症対策には非常に効果的です。なぜなら、みんながうつさない為のマスクを装着するという事は、菌やウイルスを外に広めないという事です。一番の感染症対策と言ってもいいですね。
2021年になってから、不織布マスクが効果的に感染症対策ができるということがWHOや国から言われてきました。
その効果は布マスクよりも20%ほど高く、80%ほど吐き出し飛沫量をカットできます。
また、吸い込み飛沫は70%カットできます。
季節によっては非常にマスクは危険です。熱中症の原因にもなりますので、接触冷感機能があるマスクもありますので、ぜひ試してみてください。

こちらのサイトでは、沢山のマスクが販売されております。洗えるウレタンマスクから、医療業界でも使われている不織布マスクまで。
③N95マスク

未知の感染症や、結核患者の対応時に使うものです。空気感染予防に使います。
空気感染は、飛沫感染の病原体よりも小さな菌やウイルスが空気中にあり、それを吸い込むことで感染するものです。不織布マスクとの大きな違いは、
・不織布マスクは自分が菌やウイルスをばらまくのを予防するマスク
・N95マスクは感染者から菌やウイルスをもらわない為のマスク
そのため、このマスクは医療従事者でもコロナウイルスや強い感染症患者の対応に当たるときのみ使用されます。
1枚当たりの値段も高価で、装着時は息苦しさが強く、正しく装着するには少し技術がいります。
日常生活を送るうえでは不織布マスクで十分に「うつさない」「うつらない」感染症対策が可能です
いろんなマスクの種類と効果
以下のサイトではいろんな種類のマスクと吐き出し、吸い込みの飛沫感染量をわかりやすく表にしてくれています。

①マウスシールド・フェイスシールド

よくテレビで芸能人が付けている口元の透明シールドは10%ほどしか飛沫予防がされておらず、ほとんど意味ありません。
フェイスシールドも含め、透明のシールドでは吐き出し、吸い込みの飛沫に対しては感染症対策はとれておりません。
それに思い出してください。
この口元だけのシールドってコロナがはやる前は、お総菜コーナーのおばちゃんが自分の唾液が会話中にお総菜の中に飛ばないようにしてくれてたものですよね?
唾が飛ぶのを予防していただけの物に効果があるわけがない
と思っておきましょう。
芸人さんやレポーターさんが大きな声で「おいしー!」や「うあぁぁぁぁぁぁぁぁ」と大きな声でリアクションを取っているのを見ると医療関係者からすれば、
”付けているだけで意味なし”の一言に尽きます
もう完全に知識のないテレビ局の人がタレントの顔を出しつつ、クレームが出ないようにした結果でしょうね。なんの効果もない。視聴者からのクレーム除けのお札のようなシールドです。
しかし、医療現場ではフェイスシールドは積極的に採用されています。

理由は、フェイスシールドと不織布マスク/N95マスクと組み合わせて使うことでより高い感染症対策ができるからです。痰の吸引や、おむつ交換など直接患者さんから出る排せつ物を処理するときには必須アイテムです。
急性期病棟やコロナ病棟ではこれにゴーグルやガウンなどが組み合わされてがちがちのフル装備になります。
つづいては若者に人気の
②ウレタンマスク

https://www.clinicfor.life/ 参考:クリニックフォアグループ

ウレタンマスク…いまいちですね
- 吐き出しの飛沫は50%、吸い込みの飛沫は30%ほどしかカットできません
- 着けていないよりはいい というレベルです。
- 若者の間でファッション性があると人気なウレタンマスクですが、通勤通学など人の多い所に行くときには適しません。
理化学研究所でスーパーコンピューター「富嶽」を使って、マスクの素材ごとでの飛沫防止効果のシミュレーション結果が話題を呼びました。上記で引用したサイトの比較画像で見てもわかるように
不織布マスクの2~3倍の飛沫感染リスクがあります。
マスクによっては洗って使える使用回数の制限を記載してくれていますのでそちらを参考にしてください。
犬の散歩や、混んでないスーパーに行く程度ならいいと思いますが、人の多い所に行くときは不織布マスクを使用しましょう。肌荒れが気になる方は、ウレタンマスクを着けて不織布マスクを着けるなどの重ね付けでもOKです
③不織布マスク

医療従事者の必須アイテムです。今はこれに加えてゴーグルとフェイスシールドをしています。がちがちに感染症対策しています。
うつさない、うつらないを鉄則としたマスクです。またディスポと呼ばれ使い捨てであるため、布マスクやウレタンマスクよりも清潔です
やむを得ず人ごみに行くときは感染者を増やさないためにもこちらのマスクの使用をお勧めします。
しかし、これは使い捨てが基本ですので、コストがほかのマスクよりもかかります。自分の行く場所や仕事に合わせて適切なマスクを使用しましょう。
今の時代マスク代もバカになりませんからね。我が家では固定費にマスクが入っています。
不織布マスクの正しい着脱方法
マスクを着ける時に抑えるべきポイントはたった4つ。
これさえ覚えておけば、マスクをべたべた触らずにササッと感染予防ばっちりのマスク装着ができます。
- マスクの裏表を確認する
- マスクのワイヤーを鼻の形に添わせる
- 両耳にマスクの紐をかける
- 鼻部分のワイヤーを抑えながら顎の下までしっかりとマスクを覆う
抑えるべきはたったこれだけです。マスクの表面をべたべた触らず、顎や鼻をしっかり覆うことができる方法です。
では、マスクの外し方です。これは、たった1つだけ抑えておいてください。
マスクの紐を量手で持ちます。そのまま同時に耳から離してください
これだけです。マスクの表面や裏面は自分の出した菌やウイルス、外に付着した菌やウイルスなどで非常に汚いです。人間は無意識に自分の顔を1時間に30回ほど触っているというデータもあるくらいです。
汚い面を触った後に口や鼻など粘膜を触ると感染症にかかるリスクが跳ね上がります。
面は触らないというのだけ意識してください。
マスクの裏表
不織布マスクには裏表があるのをご存じですか?
マスクのひもがついている方ではありません。
マスクのヒダに注目して下さい。マスクは顔に添わせると凹凸がありますよね?
鼻側の方向に凹の部分が来てしまうと、上から見たときにマスクに細菌やほこりなどが積もってしまいます。
反対にマスクの凹の部分が口の方向にあると、マスクについた細菌やほこりは溜まりにくくなります
此方の女性の付け方は正しい装着ができています。マスクのヒダが下を向いており凹のなかに細菌やほこりが溜まらないようにできています。
一番大切なのは
マスクを鼻から顎まで隙間ができるだけ無いように装着する!
感染予防の意味がなくなるマスクの扱い方
①鼻マスク
たまにいません?
マスクつけてるけど鼻でてるやつ。偏見ですけど、醜男や醜女におおいんですよ。声で買いタイプの。大した顔でもないのに出したがるというか主張したがるというか…
呼吸器系の疾患がありマスクを長時間つけるのが困難な人もいます。しかし、そういった人は基本コロナにかかれば重症化しやすいため不要不急の外出は避けています。本気で命にかかわりますからね。
息苦しいのはわかります、メガネが曇るのも分かります。
しかし、この世の中、鼻が出ていてマスクつけてます!感染症対策してます!はクソです。
鼻毛にウイルス除去フィルターはついていません
口腔内にもフィルターはついていません
うつさない、うつらないためにも
鼻から顎までしっかり覆いましょう
②マスクを触りまくる
マスクの表面には細菌やウイルスがたくさんついているので外すときは触らない。
頻回にポジションがずれる場合はマスクのサイズが合っていないことも考えられます。
様々なサイズが出ていますので自に合ったサイズを選びましょう
まとめ
マスクの正しい装着は非常に大切ですが、不要不急の外出や会食、会合を避けましょう。
働いていて思うのは、多くの方は自分に必要なマスクを使用してくれていて、「医療従事者の方が必要ですものね」と言ってくださいます。マスクだけではなく、手洗いや、うがい、不要不急の外出を控える等対策をして下さい。皆さんの協力で少しでも早くこの事態が収束するように耐えましょう。
以下は、感染症対策の定番、手洗いの正しい方法と、神経質に洗いすぎるとかかる病気について書いた記事です。
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