
寒い季節に見られるしもやけ。できたことがありますか?主に指先や足先が赤く痛痒くなるものです。私の母は毎年手と足先を真っ赤にしています。同じ地域に住んでいて年齢の近い叔母は全く無傷です。靴下も母は3枚重ね、叔母は1枚履き。いったい何が違うのでしょうか?冬本番前にしもやけに負けない体つくりをしましょう!
そもそもしもやけとは何?
しもやけは医療用語では”凍瘡”(トウソウ)と言われます。
冷えで血液の循環が悪くなって炎症を起こし、皮膚が赤くなったり、痛みや腫れ、痒みが出てくるものです。
主に、末梢や、体の出っ張った部分にできやすいのが特徴です。
例)指先、足先、耳、鼻など
しもやけができやすい条件
5度前後の気温や朝夕の温度差があるところで起きやすいです。
暖房の入った屋内にと寒い屋外を行き来することもしもやけができる原因の1つでもあります。
血行が悪く冷え性な人や、湿潤環境が続く人もしもやけができやすいです。湿潤環境とは、湿っている状態のことです。靴や靴下の中で足がむれたり、手をちゃんと拭かずに放置したりするとできるジメジメした環境のことです。
さて、言葉の品引きは似ていますが、凍瘡と凍傷は何が違うのでしょうか?
凍傷との違い
しもやけ(凍瘡)と凍傷は似ていますが異なります。
しもやけが5度前後のとても寒いという条件でできるのに対し、凍傷は氷点下の気温の中で長時間いた場合に”体の組織が破壊される”ものです。壊死します。
凍傷の患者さんを見たことがあるのですが、なかなかグロテスクでした。
雪山で遭難中に手袋をなくた若い男性でした。指先が黒く変色し感覚もなく、動かせず。軟膏を塗って組織の回復を試みた時期も指がカチカチで力を加えたらバキッと行きそうで本当に緊張したのを覚えています。結局カチコチになって組織が壊死して回復することがなかったので3本指を切断という結果になりました。これが凍傷です。
しもやけとのスケールの違いが判りますよね。
しもやけの予防
しもやけは寒暖の差や、冬の寒い時期になります。
カイロや手袋、耳当て、分厚い靴下を着用するようにしましょう。
また、冬は湯船につかり、血液の循環を良くするのも大切です。筋肉を使うような運動も非常に効果的です。筋肉は血液循環を良くするポンプの役割も兼ねそなえています。
暖房の温度設定は会社や公共の場では難しいので、自分の服装で調整していくこともしもやけの予防です。
そして、意外な落とし穴なのですが湿潤環境にも注意しましょう。私の母のように「足が冷えるから」と靴下を何枚も重ね履きすると気づかないうちに湿潤環境になります。
靴下を重ねすぎると通気性が悪くなり中で水分が滞るのが原因です。寒くても全く汗をかかないわけではありません。
特に注意が必要なのは、寝るときに靴下をはくと布団で温まって汗をかき蒸れてしまいます。朝起きて布団から出るとグッと寒くなるので湿潤環境×寒暖差としもやけができやすい状態が出来上がります。
予防策は以下です
- 血行を良くするために湯船につかる
- 運動をして筋肉を動かす
- 耳当てや手袋、厚手の靴下を履き末梢が冷えに晒されるのを予防する
- 寒暖差を大きくしないようにする
- 寝るときは靴下を脱ぐ
- 靴下を重ね履きしすぎない
- ゆっくりぬるま湯で温める:温めるときは急にあたためるとかゆみが強くなる。
- 熱いお風呂に入らない、熱いお湯で食器を洗わない:かゆみが強くなる。
- 皮膚をこすらないようにして優しく洗う
- バランスのよい食事をとる:特にビタミンEを多く含む食べ物
ビタミンには肌を強くする作用があるものがあります。以下の記事にビタミンについてまとめています
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病院に行った方がいいしもやけ
基本的にしもやけは手荒れみたいなもので、自宅で様子を見ながら付き合っていくものなのですが、以下のような症状が出たときは皮膚科に行ってください
- 強い痛みがある
- 赤くなっている部分が広範囲になっている
- ただれたり水ぶくれができている
- 痛痒いだけではなく、体のだるさなど別の症状がある
このような症状がある場合は、自分で解決できない所まで悪化していますので、皮膚科の受診をしてください。また、最後に書いた皮膚が赤くなって痒くなる以外の体の不調がある場合は、しもやけではなく膠原病の可能性があります。若い女性に多いので、自己判断せず受診してください。
しもやけの治療
しもやけは寒さで血管が収縮して、血行が悪くなることでおこります。
そのため、治療にはヒルドイド軟膏、ヘパリン類似物質クリームなどの血液の循環を良くする塗り薬を使用します。
他にも漢方薬やビタミン薬などの内服も使用します。もちろん、薬だけではなく、防寒や入浴などで血液の循環を良くする工夫も大切な治療になります。
まとめ
- しもやけは、5度前後の寒さや寒暖の差があると発症しやすい
- しもやけは凍傷とはことなる
- 治療には、軟膏や内服で治療する
- 血液循環が良くなるように防寒具や入浴などで対策をする
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