蒸れや摩擦で股間が痒い、痛い…という思いをしたことがある人も多いですよね。男女問わず性器周囲は蒸れや摩擦など刺激が多いです。加えて粘膜組織のためほかの部位に比べて非常にデリケートです。
実は股間の種類によって病気になりやすいものがあります。でも、安心してください、この記事では男性器のケアと病気の予防について紹介します。
まずは、この記事を書こうと思ったきっかけエピソードを紹介します
先日の勤務でのできごとです。
その患者さんは失禁があり、寝たきりです。自分でトイレや着替えはできません。尿路感染の予防のために毎日、泡とお湯で陰部を洗浄します。
その患者さんは仮性包茎であったため、皮の内側に汚れや垢が溜まらないよに皮をむいて洗っていました。しかし、洗っている時に亀頭部の色が紫に…
皮が戻らなくなってしまい、亀頭部を締め付けていたのです。そのためうっ血し亀頭部に血液がいかなくなり変色していました。
慌てて皮を戻そうとしましたが、汚れや垢が固まってなかなか戻りません。泡を付けて滑らせて戻すことができましたが、
対応が遅れれば男性生殖器とサヨナラでした
実は、入院患者さんの多くは毎日陰部洗浄をしてもらっていた人でも、高確率で性器が汚いです。
汚れがたまる場所の洗浄がおろそかになっていたり、入浴を拒否されたり、失禁があり洗っても洗っても汚れている時間が長い人が多いからです。しっかりされている方でも洗い方が雑だと何とも言えない異臭を放っています。
反対に陰部がめっちゃきれいな人もいます。その方の入浴介助をするとき洗い方を見ていると、ちゃんとポイントを押さえて洗浄されてます。短時間で清潔な性器を保つ方法をしっかり実践されていました。
少しのポイントを抑えるだけでここまで差が生まれる、これは最高の予防医療だ!と思い、この記事を書くことにしました。
女性器バージョンはこちらの記事で記載しております
性器の悪臭の原因は性病だけじゃない!原因はアナタの習慣にある!?
男性の生殖器、包茎の種類
①仮性包茎
日本人の6割~7割の男性は仮性包茎です。
これは普段は皮をかぶっており、性行為や自慰行為をするときに自分で皮をめくることができます。多くの成人男性は行為の時以外は皮をかぶっていているということです。
②カントン包茎
勃起時や平常時に包皮をむこうとすると包皮の締め付けが強く亀頭部が締め付けられてしまい、包皮をむくことも戻すことも疼痛が伴う状態。亀頭が包皮で強く締め付けられている状態です。
この場合は手術などで改善することができます。
③真性包茎
これは自分で引っ張っても皮が剥けないということです。
男性としての自信を喪失されたり、セックスに積極的になれないという人も多いです。そして、この包茎のタイプが一番病気になりやすいです…
自分で皮を剥けないため、皮と亀頭の間に垢が溜まります。垢が溜まると股間に炎症や痒みなどの悪影響を及ぼしますので、泌尿器科を受診して治療する必要があります。
静岡美容外科橋本クリニックより https://mens.hashimotoclinic.co.jp/service/15.php
不潔な男性器に起こる悪夢
①亀頭包皮炎
症状:亀頭と付け根に白いカスのようなもの(チンカスのようなもの)が溜まり、痛みや痒みが出ます。
原因:亀頭部分の傷や、真菌(カビ)、細菌、ウイルスなどが繁殖するために起こります。
亀頭包皮炎になりやすい人:包茎や仮性包茎など亀頭に皮をたくさんかぶっている人です。皮をしっかり向いて中を洗うことが難しく、皮を剝くときに亀頭部を傷つけてしまうリスクが高いためです。
治療:抗生物質を含んだ軟膏やそれでも改善しない場合は、内服で治療します。自然完治はかなり困難です、悪化する前に受診しましょう
②股部白癬(インキンタムシ)
症状:白癬とはカビのことです。つまり、ちんちんにカビが生えます。股間が触れる太ももや陰茎、亀頭など股間周囲に感染し円形に発心ができて、痒み、痛み、膿の出現があります。ひどくなると、下腹部、臀部に広がっています。陰嚢(タマ)部分には感染はしにくいです。
原因:水虫とおなじ菌であるため、接触感染をします。接触感染とは触れることで感染することです。そのため、セックスやトイレの共有使用で相手に移すこともあります。
股部白癬になりやすい人:股間を綺麗に保たない人、パンツ内の湿度が高くカビの増殖環境が整っていることです。高湿度であり、陰部や大腿部の接触が多いため男性の方がなりやすいです。
治療:抗真菌薬の軟膏の塗布を行います。それでも治らない場合は内服薬も併用していきます。
③皮膚炎
症状:炎症を起こすと陰部やその周囲に赤い湿疹ができ、痒みや痛み、出血を伴います。また、慢性化すると陰部の皮膚が分厚くなり痒みが増強します。
原因:陰部が不潔なままだと接触性皮膚炎を起こします。汗や垢だけではなく、尿や便などの汚れも皮膚炎の原因です。活動していると太ももや下着で股間がすれて、炎症を起こします。
皮膚炎になりやすい人:陰部の清潔が保てていない人。陰毛が濃かったり、おなじ下着を何日も吐いていたり股間が蒸れたりする人は特に注意が必要です。
治療:陰部を綺麗に保つことで治る場合もありますが、痒みが強くなった場合はステロイド軟こうを使用することがあります。ただ、ステロイドは強い薬のため粘膜に2週間以上使用するのは副作用が出やすいので注意が必要です。粘膜は皮膚の42倍の薬の成分を吸収します。
ステロイドの副作用
皮膚が赤くなる、皮膚の常在菌が少なり、カビなどに感染しやすくなります
ステロイド内服と同様で、易感染、多毛などがあります。
第一三共ヘルスケア https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_hifuken/qa/about_steroid/
正しい男性生殖器の洗い方
不潔にしていることで様々な病気になることが分かりました。では、正しい洗い方をお伝えします。
①皮をしっかり剥きます
最初は剥くときに痛みを感じることがあっても毎日剝いていると痛みは緩和し、剥き癖がつきます。
※カントン包茎の方やむくときに強い痛みを感じる場合は自分で無理をせず一度、泌尿器科や美容外科を受診することおおススメします。無理やり包皮をむくと陰茎や包皮が傷つき、そこからばい菌が入って痛みや腫れを伴うことがあります。
②シャワーや流水でしっかり洗います
※性器は粘膜ですのでぬるま湯で洗うほうが低刺激です
③泡を使ってしっかり垢や汚れが落ちるように洗ます
※泡は洗顔と同様にしっかりきめ細かい泡を作ることで擦る力が不要になり、低刺激で汚れを洗い流すことができます。フワフワ泡の作り方は以下の洗顔の記事で詳しく書いております
洗顔の命は泡! 泡を制する者は洗顔を制する、肌トラブルにサヨナラを告げる第一歩
※皮膚が弱い人や、陰部に傷がある場合は泡を付けなくてもぬるま湯の流水で洗うだけでも構いません。
じゃあ、剥きっぱなしにしとけばいいのか?
皮をかぶっていると病気になるなら、常に皮を剥いておけばいいのかと思いますが
それは大きな間違いです
皮を剥いたままにしておくと、亀頭の根元で皮が束になり亀頭部を締め付けることで亀頭部が張れて、嵌頓包茎(カントンホウケイ)になります。
無理に皮を剥こうとして皮がもとに戻らなくなるもので、思春期男子や男児に多いものです。
自分で戻せない場合は必ず泌尿器科を受診しましょう
性行為時やお風呂場で洗浄するとき以外は包皮を被せておくのがいいです。
まとめ
股間を綺麗にすることは、性器の病気の予防に繋がります。女性もですが、陰部のトラブルで病院に行くのは恥ずかしいですよね。人に相談もしにくいですし…
性器の病気は自力で治すことは難しいものがほとんどです。そのため、予防することが非常に大切です。
見た目や臭いなど普段から気を付けている人が多いと思いますが、正しいケアで病気の予防を行いましょう。
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