医療現場でよく出てくる「炎症」という言葉ですが、これは非常に多くの場面で出てきます。内科であろうが外科であろうが変わりません。整形や消化器外科では術後の創部などで見て取れますが、内科的疾患(尿路感染や肺炎)は見る所を見ていないと発見が遅れがちです。情報収集の時に何が必要なのか、患者様のお部屋に伺うときにどこを見て、どんな質問が必要なのか頭に入れずにぼーっと仕事をしていると急変につながることだってあります。この記事では国家試験はもちろん、経験の浅い看護師さんにも役立つ情報を網羅してみました
炎症とは
物理的刺激(火傷や凍傷など)、や化学的な刺激(化学薬品接触など)や、ウイルスなどの微生物の感染に対して起こす生体の防御反応の一つ と定義されています。簡単にいうと、体に害があるものから体を守ろうとする働きのことを炎症と言います。
炎症の5徴候
教科書やサイトによれば炎症の4徴候と記載がある場合もありますが、私が国家試験勉強をしていたときは5徴候で習いましたし、現場でも医者から「5徴候言えるか?」と1年生の頃試されましたので、必ず5つ覚えてください。とくに、外科志望の方は創部の観察をするときに必須です。何も見ないで言えるレベルじゃないと業務が忙しすぎて観察に無駄な時間を取ります。
- 発赤
- 腫脹
- 熱感
- 機能不全
- 疼痛
これが、炎症の5徴候です。
炎症の5徴候の原因
では、なぜ炎症の5徴候は起こるのか。を見ていきましょう。外傷性の炎症ではヒスタミンが関与し以下の徴候を示します。ヒスタミンは今後アレルギーのところで掘り下げるつもりですので、こんな作用があるんだなぁと思っておいてください。気になる人は「ヒスタミン 炎症」でGoogle検索するとヒットします。
- 熱感:血管が拡張して局所血液量が増加
- 発赤:血管が拡張して局所血液量が増加
- 腫脹:血管の透過性が亢進して炎症性水腫が起こる
- 疼痛:疼痛性起因物質(プロスタグランジン・ブラジキニンなど)
- 機能障害:疼痛や腫脹によって本来の機能が果たせない(足首が痛くて背屈できないなど)
急性炎症と慢性炎症
炎症にも急性と慢性があるのは知っていましたか?
目安は7日です
急性炎症 発症後7日未満
- 好中球(白血球の60%ほどを占める成分)がメインで戦っている
- 血管透過性の亢進による腫脹が目立つ
血管透過性については以下の記事で詳細記載
一般の方、看護学生向け!いつの間にか脱水にご用心!体内の必要水分量と脱水について学ぼう
慢性炎症 発症後7日以上
- リンパ球の浸潤
- 形質細胞の浸潤
リンパ球も形質細胞も抗体産生を生業にしています。慢性的な炎症は体が抗体を作ろうとする働きにシフトするのが特徴です。
突然出てきた、リンパ球、好中球なんて知らん!!分からん!!と言う方に以下の画像をプレゼントします。コピーして友達とシェアしてください。白血球の種類や大まかな働きが分かります。
炎症所見を見るための看護的視点
看護計画や日々の患者様のかかわりに役立ててください。すべてを網羅しているわけではありません。科によって異なりますし、術式や内服薬によっても異なります。
まとめ
おつかれさまでした。ここまで学べば病棟でも大丈夫です。病棟の特性はありますが、炎症はどんなものなのか、どこを見るのかという事がわかっていればベッドサイドに行ったり、患者さんから何か聞かれても困ることはありません。また、医師や先輩スタッフ、指導者にも質問できます。分からないと聞けませんからね。
今後は創部についてもやっていこうともいます。
いつものことですが、看護師としてすでに働いており、ほかの職場が気になる、自分の年収をあげたいという方は以下に看護師求人に特化したリンクを貼っておきますのでよかったら登録して情報を収集してみてください!非公開求人なんかもあります!
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