この記事では、誰もが一度は使ったことのある、ロキソニンとカロナールの違いについて書いています。カロナールは効かない、ロキソニンじゃないと!と思っている人、インフルエンザの時に渡される頓服がロキソニンではなくカロナールの理由を知らない人は是非読んでみてください。間違えると重大な後遺症を残しますよ…
ロキソニン
くすりのしおり https://www.rad-ar.or.jp/siori/kekka.cgi?n=17162

作用と副作用
【ロキソニンの作用】
- ロキソニンはNSAIDs(非ステロイド性抗炎症剤)
- 解熱・鎮痛作用がある
- 体内の痛み成分であるプロスタグランジンの生成を阻害する
ロキソニンは安全で効果が高いことから、病院でも最も多く使用される痛み止めです。
ジェネリック医薬品が主流になってきたので、ロキソニンではなくロキソプロフェンNaの方が処方されやすくなっていますね。この2つは99.9%同じです。薬価が安いので効かないなんてことはありません。効かない薬は販売されないからです。
【ロキソニンの副作用】
- プロスタグランジンの生成を阻害することで消化器系にダメージを与える
- 大量かつ長期間使用すると腎不全を起こす
- インフルエンザの時に使うとインフルエンザ脳症を起こすリスクがある
プロスタグランジンは痛みや炎症反応のもとになる物質ですが、胃粘膜を保護したり、腎臓の血管を拡張し腎臓へ血液を行きやすくするはたらきがあります。
つまり、そのプロスタグランジンの生成が阻害されることで、消化器症状(嘔気、嘔吐、消化器潰瘍や下痢など)が出たり、腎臓の血管拡張が阻害されることで腎機能の悪化をきたします。
【インフルエンザ脳症】
インフルエンザ脳症とは、インフルエンザの感染後に意識障害やけいれん、異常言動、異常行動などのを引き起こす重篤な脳の病気です。主に5歳以下の幼児に発症する場合が多く、発症してから急速に意識障害などが進行するのが特徴です。予後が良好な軽症例もありますが、時には後遺症が残ることや、死に至ることもあります。
小児に多いものですし、高確率なものではありませんが、インフルエンザの熱が辛いと市販の薬を勝手に飲むのはやめましょう。
痛み止めにはそれぞれ種類があり、インフルエンザの熱には、カロナールやバファリンなどのアセトアミノフェン系の解熱剤が良いとされています。
一緒に内服するときは注意する薬
- ワーファリン(血を固まりにくくする薬):プロスタグランジンの生成抑制により血小板(血液を固めるもの)が凝集が阻害され、薬の効果が強く出ることがある
- ACE阻害薬・レニンアンギオテンシンⅡ受容体拮抗剤(血圧を下げる薬):腎臓に作用し水分の排泄を促し血圧を下げる薬であるため、プロスタグランジン生成が阻害されると腎臓の働きが弱くなるため、降圧剤としての働きが悪くなる
- メトトレキサート:リウマチの治療薬としても使用されるが、非常に強い薬のため腎臓からの排泄力が弱くなると薬の体内残量が多くなり効果が強く出すぎることがある。
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