
話し合いができる人とできない人のたった5つの大きな違い(前編)
前回、夫婦喧嘩についての記事で少し紹介したルールについて、今回は理由も含めて紹介していきます。たった5つですが、相手に何かを伝えるときに有効なテクニックです。
それでは早速、発表していこうと思います。これは、保育教育や学校教育でも気を付けられていることです。お勉強をしている先生は実践しているものです。
1.大声を出さない
2.感情的にならない
3.名前以外で相手を呼ばない
4.解決策を決める
5.必ず着席して行う
1.大声を出さない

大きな音や声を出す行為は相手を威嚇し、委縮させる行為です。
想像してください、
- 本当は無能な上司が自分が優れていると周りにアピールするために部下のダメ出しをしているとき
- 感情をむき出しで文句を言ってくる人
どうでした?おそらく90%以上の人が大きな声で上記に置いたサルの画像のように興奮している人を想像したと思います。
共通しているのは
自分の方が強いというマウントを取りたい
です。本当に強い人はこんな主張しません。ワンパンマンがほかのヒーローに声を荒げてマウントを取っているなんてしないですよね。

つまり、
相手を組み敷いてやろう、従わせてやろうという心理
言い換えれば、そうでもしないと誰も言うことを聞かないということです。
小さい子供が、自分の要求を通したいとき、わがままな客が店員を困らせるときの真理です。相手を恐怖や委縮で支配し、自分の思い通りに動かそうとします。
ようは、
雑魚キャラ心理です
実際、そんなヤツの相手をする方がめんどくさいから思う通りに動いてしまいがちですが、相手が自分の大切な人ならその根性を叩き直して差し上げてください。無関係な人間なら、「雑魚キャラや。いきってんなw」と心の中で思ってください。
もし、あなたのパートナーが雑魚キャラマインドの持ち主であるなら、ひどく悲しいことです。
意味のある話し合いや喧嘩をするには、まずこの雑魚キャラマインドを捨ててもらい、自分が雑魚キャラマインドを持っているなら捨てましょう。
相手を一人の人間、自分で選んだ大切なパートナーだと思って話し合いましょう
2.感情的をそのままぶつけない

感情的になると話の本質が見えなくなる
これは、女性に多い傾向にあります。
例えば、喧嘩になった原因が
パートナーがデートの約束を忘れて寝坊したとします。
運が悪く、相手が謝罪して、はい、終わりというわけにいかず言い合いになります
「連日仕事が続いていて疲れていた」「アラームをかけ忘れた」「携帯の電源が落ちて遅れる連絡ができなかった」
という事実を伝えてきたことに対し、最初は遅刻したことに腹が立っていたはずなのに、
「言い訳ばっかりして」「前にも約束忘れたことあったな」「スマホ毎日充電してるって言うてたやん」と腹立つ、むかつく、気に入らんという感情が膨らんできます。
そしてこれらの感情をぐっと飲み込めればまだいいのですが、
「あんた、前もデートの時前日に飲みすぎて寝坊したやん。今回もそんなんちゃん?スマホも普段充電しながらゲームしてるくせに、言い訳並べてるだけやん。だいたい…」
と言ってしまえば相手も謝罪の気持ちなんて飛んでいきます。
Let’s fight!!!とゴングが鳴ります
「前の事はもう終わった話やろ、また言うてくるんか。嘘ついてるっていいたいんか?大体毎日連絡してこいとか、今日もお前が朝から遊びたい言うたからこっちは頑張ってるんや!」となりますよね。
話の論点どこいった?
きっとこの時は、寝坊したという事実に怒りを覚えていたはずです。
そして、それに絡めて寝坊の前科があるというのも事実です。
彼が悪いと思って謝罪している内容も事実です
この場合、感情を最初からぶつけるのではなくまずは事実や理屈の確認をしましょう。
少し、伝え方を変えてみましょう。
「連日仕事が続いていて疲れていた」「アラームをかけ忘れた」「携帯の電源が落ちて遅れる連絡ができなかった」
ここで、疑惑や府の感情が出てきてもまずは事実確認です。
「そうか、疲れてたんか。いつも充電してる携帯もし忘れるくらいやからアラームセットもそら忘れるよな。せやけど、連絡もなかったから、心配したし、ちょっと悲しかったわ。今度から気つけてな!しんどかったらデートの時間も場所も先言うてくれたら変えるし!」
と言われたら相手はきっと、猛省してくれるでしょうし、パートナーの懐の深さややさしさを感じると思います。
ここで、大事なのは2つ
①事実/理屈と感情を分離してとらえる
②相手が、自ら「もうしないでおこう」と思うようにこちらが誘導する
これでキレてくる人は私が勉強した心理学ではない心理状態なので病院行ってください。離れましょう。危ないです。(笑)
①事実/理屈と感情を分離してとらえる
この考えは、恋愛関係だけではなく日常生活でも同様です。
愛と豊かな生活を手に入れたいなら必須の考え方
と言っても過言ではありません。
感情と事実/理屈はを混同させると結果を誤る場合があります。上記のように伝えたかったことは伝わらず、不必要で不毛な喧嘩に発展します。
お金だと、いい例が保険です。
民間の「ガン保険」なんてまさに感情と事実を混同させ不必要で不毛なお金を払わせるものです。謳い文句は、ガンになったときに最先端の治療が受けられる、入院時にお金が出るという安心という感情を揺さぶるものです。
しかし、最新の治療は保険適応外のくせに実験的な要素が多く、効果的な治療は公的保険内で受けることができます。入院時にお金は発生しますがそれまでに払っていたお金をためていた方が結局手元にお金は残ります。そして、事実は、ガン保険に入ったからと言ってガンにかからない、治るわけではありません。最新治療が受けれても治る保証は低いです。日本の80%の人間がガンで死ぬ時代です。「自分はガンで死ぬな。」と思っていた方が賢明です。なぜなら、それが国から出た結果なのですから。
感情と事実/理屈を混同すると感情が勝つ
なぜなら、人は頭で無駄だ、ダメだ、わからないと図星をつかれると感情的になるからです。
感情がアクセルなら、事実や理屈を認知する力ははブレーキです。一度でもアクセルを踏み込み加速させてしまうとブレーキを踏んでもすぐにピッタリ止まることはできません。感情にはそれほど強いエネルギーがあります。
きっと保険の例を出した時も「でも家族にお金を残せる。最新治療で治るかもしれない」とまた感情的に情報整理をあきらめた方も多いでしょう。人それぞれの価値観ですし、民間保険についてこれ以上触れることはしません。
ここでいいたいのは、
思い/感情と事実/理屈は分けて考えるということです
②相手が、自ら「行動しよう」と思うようにこちらが誘導する
病院で勤務していて患者さんにこれを使うときがあります。
いくつになっても素直にこんな若造のいうことを「専門家が言うんだから、僕が間違えていたから入院したんだし」と笑顔で一生懸命取り組んで下さる方もいらっしゃいますが、そんな神様のような患者様は1年に1人いるかいないかです。
大体は頑固で、新しいことを取り入れるのが苦手または拒否し、今までうまくいかなかったことを繰り返すバk…いえ、困った方の方が多いです。
こういった方の場合その人を知るところから介入スタートです。
例えばAさんは糖尿病で入院中の70代、血糖コントロールをうまくできなくて、食事や運動もしない。奥さまのことを大切にされていますが、「口うるさくてかなわん。今回も飯やら運動やら家内がうるさいんや。」と愚痴られていました。
糖尿病患者の多くは足や手を切るまで特に生活に支障が出る症状がないのでだいたいこんな感じで危機感なくいざ切り落とすとなれば泣きます。知らんがな。って感じですよね。
看護師や家族が一生懸命食事や運動、内服の指導をしても「わしはこれでやってきたんや。別にこれで死んでもいいんや」です。かかわる人すべて疲弊していました。普段は気さくないい人だったので、人間関係を作るのは簡単でした。
ある日、何気ない会話をしていた私とAさん。
Aさんに「もうホンマにええん?去年よりだいぶ値悪いけど、好きにして死にたいってのは一つの生き方やと思うし。否定はせんよ。先生ももう家帰ろかってこの前言うてたし。ただ、このままやと5年以内にほんまに足か手切りにうち来はると思います。実際昨日、Aさんと同じ糖尿病の人が膝から下切ってはったし。めっちゃ後悔してました。」
と話すと顔色が変わりました。もう一押し。
「Aさんがどうするかよ。みんないつまでも優しく面倒は見てくれない。大事な奥さんも困ってる。心配してくれる人の言うこと全部無視してた人が自分が大変なことになってから”助けて”って言ってもAさんは助けてあげようて思える?私は今まで無視してきたやん思っていしまう。Aさんはほんまにええ人やから、頑張ってきた分もっとこれからの人生楽しんでほしいと思ってます」
Aさんは「せやな。死んでもかまへんけど。足切らなあかんのか。俺のせいやから家内に何言われてもどうもできんくなるな…薬はしっかり飲むは。メシがまずいのはなんとかならんか?」
と初めて治療への質問や参加をしました。そこからは少しずつ変化が見られ入院時よりも値が良くなって退院されました。
あくまで、人間関係ができているという前提ですが、家族やパートナーであればる程度の人間関係はできていますよね。このテクニックはシュムージングというものを使ってからではないと効果は発揮しません
シュムージング:めっちゃ簡単にいうと本題に入る前に自己開示を行い、共感する力をパワーアップさせる技です
参考サイト:ココナラブログ https://coconala.com/blogs/1920906/23374
今回の一例で、字の色を変えているのは以下を示しています。
青文字…事実/理屈
オレンジ字…感情
紫字…リップサービス
この会話で大切なのは、
①相手に事実/理屈を具体的に伝えて自分で考えてもらう
(ex:いつからより、2年後には~)
②相手自信が話し手と同じたち名であればどう感じるかを考えてもらう
(感情に訴える)
③相手の承認欲求を満たす言葉を付ける
(あからさまな嘘はダメ。自分の本心を少し彩ったくらいで)
※今回は70代男性で団塊の世代のため、若いころに苦労をしたという誇りを持っていると事前に情報収集をしていた。若いころの苦労をねぎらい、これからの人生を楽しんでほしいとポジティブに向かうよう〆る。
これを踏まえて、さっきの遅刻への対応をもう一度見直してみましょう。
「そうか、疲れてたんか。いつも充電してる携帯もし忘れるくらいやからアラームセットもそら忘れるよな。せやけど、連絡もなかったから、心配したし、ちょっと悲しかったわ。今度から気つけてな!しんどかったらデートの時間も場所も先言うてくれたら変えるし!」
相手が今頑張っているものや熱中しているものがあるならその話題を組み込んでも良いですね。
この言葉をかけられると、かけられた相手は自分の行いを振り返り、反省点や改善を試みる気持ちにシフトします。また、相手がどう思うかということも考えさせられるので、こちらがしつこく「心配するから、連絡くらいして!」なんて言う必要はありません。最後の〆の言葉で、遅刻したことを責めず、自分の疲労を心配してくれている、承認してくれていると安心し、感謝されることもあります。
そのため、こちらが口うるさく従わせようとするよりも、効果的にお互い円満な関係を構築することができます。
しかし、こんなごちゃごちゃややこしい事実や理屈よりももっとストレートに刺さるものがあります。
感情は、事実や理屈よりも強い力を持つというのはこんなエピソードがあるからです
ちょっと、番外編ですが、読んでください。
言葉より想いの詰まった1粒の涙

若かりし頃、母を困らせ、心配させる私と弟でした。
母が「はよ帰ってこい!誰とどこで何してんや!心配やろが!」と何度も電話してきたり家に帰るたびに怒られていました。そのたびに反発していました。話すことも、ご飯いるかいらんかくらいの会話です。
ある日、帰ると母が何も言いません。「あきらめられたか」と思い母の横を通ると、静かに泣いていたのです。私の帰宅に気づいた母は慌てて涙をぬぐい「ご飯は?」と聞いてきました。
「何、泣いてんねん。」と聞くと
「あんたらの母親やのに、あんたらの気持ちを分かってやられへん。帰ってきたいと思える家を作ることができないからなかなか帰ってきてくれへんの?」
と普段あんなに強い母親が子供たちを強く思い、自分を責めて涙を流していました。弟も帰宅して来て、私たちは、ただただ「ごめん」としか言えず。その日はそれっきりでした。あの時の母の顔は10年たった今も忘れられません。
次の日、母はいつ戻りに戻っていましたが、私たちに大きな変化が現れました。「今日は遅いけど日付回らん」と弟が言い、「今日は夜家で食べるわ」と私が言うようになりました。その日を境に話すことが増えて、今では笑い話にしてもえるほどです。
先日3人で飲んだ時に「言葉でぐちゃぐちゃ言われたときはうっとうしいと思ったけど、普段絶対泣かんオカン泣かした時はホンマに反省した。」「必死で涙こらえて怒ってくれてるのも、グッと刺さった」と弟も同じように思って行動を変えていったようでした。
しょっちゅう涙を流すのは価値が下がりますが、
本当に相手のことを思って涙を流すというのは、理屈ではなくものすごいエネルギーをもって直接相手の心に突き刺さります
泣こうと思って泣くのはだめですよ。刺さりません。ここで必要なのはテクニックではなく想いの強さです。
〇状況把握時は感情と事実/理屈を分ける
〇相手に行動させるには事実と感情を相手に考えさせるように話を進める
〇感情は大きなエネルギーを持っており、小細工のないまっすぐな感情が相手の感情に刺さり、相手の行動や思考を変えることがある
長くなるので、いったんここまでです。次回の投稿で残りの3つを発表していこうと思います