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手を洗いすぎて感染症になった患者が来た 感染症にかかった理由は〇〇

この記事では以下について記述していきます

①過剰な手洗い/強迫性障害

②手荒れと感染症・手荒れ予防

③手洗いのタイミング

④手洗い以外の感染症対策

「手を洗いましょう」

「手指消毒をしましょう」

コロナウイルスが流行ってから、特に言われるようになりました。手を洗うと言う行為は今や感染予防として世界中の人々が気をつけて行っているものです。

手を洗いすぎて入院してきた患者

先日、入院を一件受けてほしいと偉い人から病棟へ電話が来ました。救急病院ですのでもちろん来たら受けます。必要物品の確認のためにどんな人か確認します。

「手洗いすぎて感染症なったから、点滴治療するねん(笑)」

いや、笑ったんなよ。と思いましたがこちらも「あ、はい…」という感じです。先輩から「何来る?」と聞かれて「手、洗いすぎて感染症です」と答えると「は?」と言われました。「日和見でしょ。多分。」というと納得していただけました。

手を洗わずにはいられないんです…

その患者さんが言った言葉です。「あぁ、だから入院か」という感じでした。

強迫性障害という病気を聞いたことがありますか?

簡単に言うと「○○しなければ気が済まない」状態を刺します。精神疾患の1つで症状が強い方は1日中窓の鍵を閉めたことを確認したり、手の皮膚が捲れて血が出ても手を洗い続けます。

強迫性障害は男性よりも女性に多いとされています。症状が進むとただの潔癖から、強迫性障害に移行します。これは強迫性障害の「不潔恐怖」と呼ばれるもので、触る物全てに何かの菌が付いているように感じてしまい、触れなくなったり、手を何度も何度も洗ってしまうようになります。

無自覚な人も多い病気です

または、本人も意味がない、止めなきゃいけないとわかっていてもやめることができない場合があります。この患者さんの場合はこっちでした。

コロナウイルスが流行ってから感染予防に対し敏感になりすぎてしまい、手を洗いすぎるようになった人や、アルコール消毒が手放せ無くなった人も多いです。

あくまで一例ですが、この患者さんはコロナ対策として今までより手を洗うようになり、携帯用の手指消毒でこまめに消毒していたそうです。日を追うごとに消毒回数や、手洗いの頻度が増えていき気づけば日に何十回も洗っていたと。

「何かに触るたびに洗わないといけない気がして。やり過ぎだってわかってたんです。手の皮も捲れてきてしまって。」と悲しそうでした。

この患者さんの感染症は別に大したことはありませんでしたが、問題は手の洗いすぎです。幸い重度での強迫性障害ではないため精神科ではなく一般病棟で感染症の治療と手洗いの指導をすることになりました。

手の洗いすぎで感染症になる訳

一日に何度もこまめに手を洗う という行為は一見素晴らしい感染症対策と思いますよね。

しかし、これはやりすぎるとばい菌と皮膚のバリア機能を一緒に洗い流す行為です。

人間の肌には「常在菌」と呼ばれる「良い菌」がいます。これらは肌に常に在り、外部からの細菌やウイルスの侵入を防ぐバリア機能を果たしています。

しかし、この常在菌は非常にデリケートです。年齢や肌質にも左右されますが10回以上石鹸でしっかり手を洗うと常在菌や皮脂を洗い流し、菌が侵入しやすく、あかぎれの出来やすい手になってしまいます。

また、常在菌のバランスが崩れて、日和見感染という普段害のない菌が体に害を与えることがあります。これによる感染症もありますので、なにごともある程度が大切です。

手を洗いすぎる

バリア機能が失われ、乾燥で傷が出来やすい肌に

細菌やウイルスが侵入しやすくなる

食中毒や風邪など感染症になる

という流れで病気になります。

避けられない手洗いへの対策

そうはいっても仕事柄手を洗わないといけないことって茶飯事ですよね。

私も医療職なので1日に20回くらい手を洗っていますし、消毒も死ぬほどしています。では、その患者さんと私たち医療者はなにが違うのでしょうか。

答えは、

手洗い後の保湿

です。

手を洗った後に保湿をしないと、掌、手の甲、指の付け根やしわの部分が乾燥し粉がふいたり、あかぎれができてしまうこともあります。

必ず保湿を実施しましょう。どうせ洗うから、べたべたするのが苦手と保湿をおざなりにすると簡単にあかぎれが出来ます。

保湿をする事は皮膚のバリア機能を高めるだけではなく、肌の水分を保護しますので、怪我をしにくい丈夫な皮膚にしてくれます。

自分にあったハンドクリームを使用する事で、より高い効果が得られます。

乾燥が強い場合は油分を多く含んだものあかぎれやひび割れがある場合は血行促進作用と皮膚の回復を助けるビタミン入りのものをお勧めします。

それから、みなさん、手を洗った後にしっかり水分を取っていますか?

手を洗った後、きちんと水分を取らないと肌荒れを加速させることがあります。ある程度の水分を取って「はい、終わり」にしてしまうと、残った水滴が蒸発するときに一緒に皮膚の水分を持って行きます。

手を洗った後はしっかり水気を取って、保湿をしましょう。

手洗いだけではない感染症対策

手を洗ったり、アルコール消毒をするだけが感染症対策ではありません。

首から上を不必要に触らない

と言うことも立派な感染症対策です。

男女共に、癖で日に何度も顔を触ることがあります。特に女性だと髪を結い直したり、化粧を直したりと触る頻度が高いです。

アメリカの国立衛生研究所の研究によると、

人は1時間に3.3回、活動時間が16時間なら1日に59.4回顔を触っていたという結果が出ています

別のニューサウスエールズ大学の研究では1日に414回顔周りを触るという結果が出ています。差はありますが、私たちは1日に沢山顔を触っているのです。

加えて私たちはいまマスクを付けて行動をしています。マスクの着脱やポジションを直すということで更に顔を触る機会が増えました。

マスクの外側は不潔なものなので、それを触って口や鼻、目を触ると菌を身体の入口に運んでいることになるので、注意が必要です。

絶対に石鹸で手を洗うべきタイミング

①食事前

②帰宅後

上記で述べたことを踏まえるなら、この2つのタイミングは絶対に石鹸で洗いましょう。

食事は必ず口を通します。そのため手に菌が付いていると感染症にかかるリスクが高くなります。また、手づかみで食べるものなら、各個人の皿に盛るなどで対策を行うとより効果的に感染症対策が出来ます。

外出先では必ず公共のものに触れます。電車のつり革、エレベーターのボタン、ドアノブなど挙げればきりがありません。

そのため、どんな菌がついているかわからないので、石鹸でしっかりと洗いましょう。

注意すべき点や効果的な手洗いは以下の記事を参考にして下さい

流水でしっかり洗うタイミング

①トイレ後

②化粧前

手を洗うことは石鹸を使わなくても可能です。正しい手順で洗うことが出来れば、流水でも悪い菌を洗い流すことが出来ます。また、石鹸を使わない手洗いは肌荒れや常在菌を洗いながすことが少ないというメリットがあります。

まとめ

①手は洗えば洗う程綺麗になるわけではなく、洗いすぎると感染症のリスクが上がる。

②コロナウイルスが流行っている今、手を洗う頻度が高いため、保湿や水洗いも駆使して感染症対策に努める

③常在菌は感染症対策に必要不可欠

④帰宅後、食事前は石鹸でしっかり手を洗う

⑤顔を触る回数を減らす(マスクを触りすぎない)

投稿者

red.crow0915@gmail.com

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